人気ブログランキング | 話題のタグを見る
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

松本 暁(まつもと あかつき)
詩人 utanoha代表

<ライブ情報>

・2014年4月13日(日)
■会場
東京倶楽部千駄ヶ谷店
■時間
open 13:30
1st stage 14:00
2nd stage 15:20
■料金
2100円(2ドリンク込み)
■出演
松本暁(詩の朗読)

・2014年4月20日(日)
■会場
中野aman
■時間
start 17:30
no charge
■出演
鈴木純、松本暁、長男ズ、廣瀬恭平、theharerock and more

・2014年5月11日(日)
デンデケプロダクション Vol.8
■会場
渋谷ラストワルツ
■出演
重力2、ランランズ、ヨソハヨソー、Swingy×松本暁、大谷彩子、grinramma




その他のジャンル
twitter
カテゴリ
最新の記事
教訓
at 2017-04-08 01:53
国会中継
at 2017-02-28 21:29
映画とVR
at 2016-12-26 21:17
橋下のトランプ推し
at 2016-11-14 21:46
この土人が!
at 2016-11-08 23:32
記事ランキング
画像一覧






sold out
デジタル版で読むことができます。 →コチラ




中山聡 詩集「東京」
UTP-0002
¥500



zine "works"

これまでの活動が見れます。


興味をもってくれたかたは、
info@utanoha,jpまでメールください。


ピンポン最高!それから日本のアニメ界の今後と日曜日は朗読ライブ
ジョジョ第3部アニメ化という小学生時代からの念願が叶った今期、第1話掲載時からぞっこんだったオールドファンとしては身が切られる思いが若干あるが、けれど今期ナンバー1は、「ピンポン THE ANIMATION」で間違いない。

松本大洋の名作「ピンポン」がついにというか、ようやくというかアニメ化されたわけだけれど、原作をこれ以上ないほど再現しつつ、動画にしか出来ない表現によって、原作の素晴らしさをさらに倍増させている。

絵柄、色彩、演出、声優の演技、音楽、どれもが見事と言うしかない。僕は萌えアニメを否定しないし、日本文化の正当な後継者であるとさえ思っているけれど、「ピンポン」は全編に込めたクリエイティビティーにおいて、強烈なメッセージを萌えアニメ含めた現在のアニメ業界に送っている。

「自分にしか作り出せない作品を創造したくないのか?」

「ピンポン」には表現者の矜持と野心と誠実さがこれ以上ないほど詰め込まれている。一言で言って、最高!唯一の弱点はペコ役片山福十郎の演技だと第1話試聴時に感じたけれど、第2話ではそれもぐっとペコというキャラクターに馴染んできているので、今後は文句のつけようがなくなりそうな予感だ。

前期の「キルラキル」の興奮と感動をあっという間に過去の物にしてしまうほどの神作がこんなに早く登場するという、現在の日本の深夜アニメのクオリティーには驚くばかりだ。とは言え、これからのアニメ業界に対して不安が僕にはある。中間層が薄くなり富裕層と貧困層に社会が二分化して行く今後の日本社会では、現在のアニメ界のビジネスモデルは先細りして行くんじゃないかという不安だ。

ある有名なアニメスタジオの新規採用募集で、示されていた給与は月13万円だった。都内で暮らすための生活費としてはまさに最低レベル以下の金額だ。仕事への愛情に溢れた職人たちを、好きでなければやっていけない給料で酷使するしかない現状の反映だ。ほぼすべての枠が3ヶ月単位で新作に切り替わる深夜アニメは、DVDの売上で収益を上げなければならない。そのため高額な初期投資はリスクがとても高く、競争も激しいため、各スタジオはギリギリのコストカットを迫られる。ソフト販売の不振は音楽業界だけではない。社会の多数派が貧困化して行けばさらに消費者の購買力は低くなる。そのあおりは今以上に現場で働く人々が被ることになる。

最近増えている5分アニメは、業界の行き詰まりを予感させる。放送形態の多様化はいいことだけれど、言い換えるなら、30分枠での作品制作がスタジオサイドにとって大きな負担になっているということでもある。日本アニメは過去最高の成熟度に至ったが、それは最低額の賃金で働かざるをえない現場スタッフによって支えられている。文化庁は、海外受けしそうな一部の作家を欧米に売り込むことが改善策になると思っているのかもしれないけれど、それは恐らく間違いで失敗に終わる可能性が高い。少ないパイを取り合い分け合うしかない状況をどうにかしなければ、今後の日本アニメの今以上の発展は望めない。

文化庁がアニメ界のさらなる振興をサポートしたいのなら、ソフト販売だけではなく、アニメ制作の仕組み自体を輸出し、海外のアニメシーン全体の規模を拡大させなければならない。メインターゲットはアジアだ。映画界におけるハリウッドのようなステータスを日本のアニメに持たせるための戦略と支援が重要だ。アジア圏のアニメマーケットを拡大し成熟させるための施策、実作や声優養成などにおける日本のメソッドの輸出、その二つが必要だと考える。各国で映画は作られているが、それでもアメリカ映画は世界中で大ヒットする。それに似た仕組みをアジア圏を中心に構築し、日本アニメのブランド力を高め、海外での放映権の販売だけでなく、DVD販売や著作権料などの全体額を増加させ国内のクリエイターに循環させることが、今後の日本アニメ界の浮沈を握っていると僕は考える。もちろん萌えアニメに偏向する業界の体質改善も重要だ。

現状各スタジオにのしかかっているコストカット圧力により、韓国などへのアウトソーシングが増えているけれど、品質とオリジナリティーにおいて日本にかなう国はまだない。ここで海外のアニメマーケット全体で日本のスタジオが主導権を握れる仕組みを作らなければ、ただの技術流失と国内産業の空洞化が広がるだけで、日本アニメの先細りは避けられないと僕は思う。その悲観的未来を避けるために文化庁にはもっと出来ることがあるはずだ。


というわけで、日曜日は中野の南国居酒屋amanの5周年記念イベントに出演します。
沢山のミュージシャンにまじって詩の朗読をします。僕の出演は18時から。
観客参加型の詩あそび「ねぽはそ」をやろうと思っています。
お時間ある方はぜひ遊びに来てください:)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・2014年4月20日(日)
■会場
中野aman
■時間
start 17:30
no charge
■出演
鈴木純、松本暁、長男ズ、廣瀬恭平、theharerock and more
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
by matsumotoakatsuki | 2014-04-18 10:06 | 日々のこと