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松本 暁(まつもと あかつき)
詩人 utanoha代表

<ライブ情報>

・2014年4月13日(日)
■会場
東京倶楽部千駄ヶ谷店
■時間
open 13:30
1st stage 14:00
2nd stage 15:20
■料金
2100円(2ドリンク込み)
■出演
松本暁(詩の朗読)

・2014年4月20日(日)
■会場
中野aman
■時間
start 17:30
no charge
■出演
鈴木純、松本暁、長男ズ、廣瀬恭平、theharerock and more

・2014年5月11日(日)
デンデケプロダクション Vol.8
■会場
渋谷ラストワルツ
■出演
重力2、ランランズ、ヨソハヨソー、Swingy×松本暁、大谷彩子、grinramma




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中山聡 詩集「東京」
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zine "works"

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興味をもってくれたかたは、
info@utanoha,jpまでメールください。


国家の成功体験と民主主義国家(仮)の日本


今日7月15日、安保関連法案が衆議院で強行採決された。ほどなく参議院でも強行採決が行われ、日本が戦後保持して来た平和主義は破棄されることになる。今回の法案に反対する様々な運動が、様々人たちによって行われて来たし、現在も行われている。この流れが持続し来年の参議院選挙で自民党を大敗させることができたら、そののち安倍政権を権力の座から追い落とし安保関連法を廃棄する新政権を樹立することができたら、その時日本人は始めて民主主義の成功体験を手にすることができる。民主主義国家(仮)のまま70年過ごしたこの国が、本当の意味での民主主義国家になることができる。選挙で自民党が勝つのであれば、日本人は全体主義を選択したということだ。

人は成功体験に縛られる生き物だ。それは国家も同様だと僕は思う。市民が王制を打倒したフランス革命がフランスの民主主義の伝統の基礎になったように、自主独立を求めて戦った独立戦争の勝利がアメリカの基層にあるように、国家の成功体験は国民に長く共有されその支えや指針として機能する。1945年に建国された日本国にとって、民主主義も立憲主義もはまだ成功体験にはなり得ていない。国民の多くがそれを望み、広範で大規模な運動が継続した結果手に入れたものではないからだ。それらは敗戦による国内権力の空白期に、GHQによってもたらされたものだ。もちろんそのすべてが貰い物だというつもりはないけれど、全体主義に民主主義が取って代わっただけで、その原動力はやはり時の最大権力者であるGHQの上意下達だ。戦争に疲れ切った人々はそれを喜んで受け入れただろうけれど、自ら獲得したわけではない。自分たちの労力と手間をかけて手に入れたものでなければそれは成功体験とは言えない。

日本国の最大の成功体験は2つある。高度経済成長とバブル経済だ。前者はまさに一国のリソースすべてを投入して成し遂げた成果であり、後者はその頂点として訪れた百花繚乱の徒花だった。今となってはどちらも過去の出来事だけれど、経済的に裕福な国であることが現在の日本人の自尊心の源になっていることは否定できない。安倍晋三は政権に返り咲いてから経済最優先を唱え高い支持を得た。経済成長こそがこの国が抱える問題の数々を解決するのだとうそぶき、バブルよ再来せよとばかりに株価を急騰させてみせた。人々はそれに高揚した。安倍晋三は日本の成功体験をくすぐったのだ。当初の高い支持率の理由はそれだ。

秘密保護法を制定しても、武器三原則を骨抜きにしても、解釈変更の閣議決定で憲法を形骸化しても、それでも支持率は高かった。彼は日本を強い国にしようと、国際的影響力の高い国にしようと様々な政策を行った。大日本帝国礼賛の右翼団体日本会議と関係が深い彼は、あの時代の日本を国家の成功体験と捉えているのだろう。半島大陸から東南アジアや南洋にまで版図を広げ、国際社会に超大国として存在した大日本帝国を日本のあるべき姿、いや本来の姿と考えているに違いない。大都市の多くを焼け野原に変え、数百万人の命を失い瓦解した大日本帝国は冷静に振り返れば失敗体験そのものなはずだけれど、在りし日の栄光に思いを馳せる総理大臣の執念は、うっすらと国民にも伝播したのではないかと思う。大きく強く豊かな国であることが日本の理想であるかのような錯覚を呼び起こした。

日本に民主主義はまだ根付いていない。多くの人々が民主主義とは多数決のことであると勘違いしているし、選挙の投票率も低い。誰が政治をやってもなにも変わらないと高をくくり、今までもそれでうまくいっていたじゃないかと思考停止に陥る。現に日本は裕福になったじゃないかと。経済的な裕福さを維持するためにはコストと労力をかけるが、民主主義の維持にはコストと労力が必要だと思っていない。国民もやはり成功体験にとらわれている。

けれどそれが変わり始めた。安倍と自民党が導く未来に戦争の陰がちらつき始め、民主主義と立憲主義への軽視が誰の目にもそれと分かるほど大胆になって来た時、それへの違和感や疑問、怒りを人々は表現するようになった。現在の安倍政権の支持率はこれまでにないくらい低下し、今後さらに下がるだろう。彼らは支持率回復のための策を講じて来るかもしれないが、政権への反感が持続し、多様で大規模な民意のデモンストレーションが続いてゆけば、そしてそれが自民党以外への投票という行動に結びつけば、非自民への政権交代が実現すれば、民主主義と立憲主義をなにより尊重する新政権が樹立されるなら、日本人が民主主義と立憲主義を選択したということであり、その時にはじめてそれらが国家の成功体験として共有される。そこに至りやっと日本は(仮)のつかない民主主義国家になれるだろう。

今は終わりの始まりのように見えるけれど、始まりの始まりでもある。なにもかもこれからだ。
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by matsumotoakatsuki | 2015-07-15 23:03 | 日々のこと